NEXT LEADERS

TALK SESSION 次世代リーダーたちの視点 NEXT LEADERS

電力自由化や再生可能エネルギーの拡大など、電気事業における背景が時代とともに変化していく中で、ほくでんはどのような未来を築いていくのか?それぞれの分野の第一線で活躍する次世代リーダー社員たちが、仕事への向き合い方、将来のビジョンについて語り合いました。

  • 北 知将

    北 知将

  • 鈴木 実保

    鈴木 実保

  • 南波 慎太郎

    南波 慎太郎

  • 新納 裕樹

    新納 裕樹

  • 2003年入社
    北海道電力/水力部 発電設計グループ
    技術系(システム情報工学専攻)

    入社以来主として水力部門に所属し、一般水力から可変速揚水発電所まで水力発電技術全般に従事。現在は再エネ事業の事業開発・運営に携わっている。

  • 2002年入社
    北海道電力/販売推進部 リビング営業グループ
    事務系(商学部)

    入社時の配属は帯広支店で、料金業務をはじめ高圧電設受付や法人営業を担当。2007年に広報部へ異動し社内報やHPを担当後、旭川支店、稚内営業所にて、再び高圧を中心にお客さま対応に従事。2015年より現在の本店販売推進部に所属し、これまでの支店・営業所での経験を活かしながら主に販売広報業務に携わっている。

  • 2008年入社
    北海道電力/経営企画室 企画・政策グループ
    事務系(法学部)

    入社後4年間は支店・営業所で営業業務に従事。2012年より現在の経営企画室に所属し、グループ会社経営管理、送配電部門の法的分離、経営基盤強化などを担当。現在は電気事業制度改革や政策等への対応業務に従事している。

  • 2004年入社
    北海道電力ネットワーク/工務部 カーボンニュートラル推進グループ
    技術系(工学部)

    入社後13年間は工務部門に所属し、変電所の保守・工事業務や、系統計画業務、再エネ拡大に向けたプロジェクト業務(大型蓄電システム実証事業)に従事。2017年から4年間は人事労務部に所属し、要員計画や技術系採用業務も経験。その後工務部門に戻り、現在は再エネを活用した地域マイクログリッド構築事業や水素事業などに携わっている。

現在担当している仕事内容は?
やりがいや面白さを感じるところは?

北:老朽化した水力発電所を新しく作り直す設計業務を主に担っています。また、2021年11月に三菱商事様とのアライアンス事業で当社が保有する水力発電所5カ所の再開発を行う「道南水力発電合同会社」を立ち上げたのですが、その事業運営と事業開発についても担当しています。これは全国でも前例が極めて少ない取り組みで、仕事の裁量が大きく、自分の考えが事業に反映されることに面白さを感じています。事業化にあたっては、ここにいる経営企画室の南波さんにも相談するなど、社内外の様々な方と連携して検討を進めています。

南波:私としても、とてもやりがいのある仕事でした。このような場でまた北さんとご一緒できるとは思ってもいなかったので、非常に嬉しいですね。

南波:では、北さんからのバトンを受けて私から。私は「国の政策」や「電気事業の制度改革」に対して、それがどのように社業に影響するのかを捉え、対応方針を立案する仕事を担っています。

北:南波さんは確か入社5年目から経営企画室でしたよね?若手の内から「経営に携わる」なんて大変でしたか?

南波:はい、責任の大きさは感じていました。今の仕事はもう一歩広く、たとえば2050年カーボンニュートラルなど、この先の世界をどのように作っていくのか、次の時代への舵取りをするようなところがあり、「将来こうなっていくのだろうな」と予想できる面白さがありますね。

新納:「カーボンニュートラル」というキーワードを挙げていただいたので次は私から。私は再生可能エネルギーを活用して災害時のレジリエンス強化を目指す「地域マイクログリッド構築事業」を担当しています。その他、ほくでんグループが一体となって取り組む水素製造・利活用事業にも携わっています。ほくでんネットワークの使命である『電気の安定供給』を前提にしながら、再生可能エネルギーの拡大や災害への対策強化など、将来に向かってほくでんネットワーク独自の切り口で新規事業や新技術を考え、創造していくというところに、やりがいや面白さを感じますね。

鈴木:私は皆さんとは少し毛色が違いますが、小売全面自由化後も、引き続きお客さまから当社を選んでいただけるよう、料金プランや各種サービスのプロモーションに関わる業務を主に担当しています。新たなサービスの提供を開始しても、お客さまに認知されなければ契約の獲得につながりません。アナログからデジタルまでさまざまなメディアを通じて、お客さまとの接点強化を図っています。お客さまの目線に立ち、わかりやすく正確に情報を伝えることは常に難しいと感じますが、責任とともに大きなやりがいを感じています。

質疑応答写真1

自らのキャリアや成長に関して、
ターニングポイントとなった経験は?

北:入社以来ほぼ、水力部門に所属していますが、同じ業務を繰り返すことはなく、都度新しい業務に携わってきました。最初は一般的な水力発電所の保守を担当し、次に可変速揚水の大規模工事に関わり、それから海外再生可能エネルギー発電事業への出資参画や道内再生可能エネルギー発電事業の開発など、常に新しい事業に従事してきました。そういう意味では、携わったプロジェクトごとにそれぞれがターニングポイントだったかなと思います。

新納:技術系は基本的に、初めに配属された部門をベースとしてキャリアアップしていきますが、一つの部門の中でも業務内容は千差万別なので、「常にターニングポイント」というのも良くわかりますね。

北:新納さんは人事労務部に所属されていましたよね?

新納:はい、2017年からの4年間人事労務部に所属し、要員計画や採用業務を経験させてもらいました。

北:人事労務部での経験が現在の業務に活きていることはありますか?

新納:そうですね、現在の業務に直結することはありませんが、要員計画などを通して会社としての「大局的な動き」を見ることができたのはすごく良い経験でした。経営者的な視点で物事を考えることは、これからすごく活きてくると思っています。

新納:もう一つターニングポイントとなった話をさせていただくと、私もここにいる皆さんと同様、いくつかの支店勤務を経て、入社9年目で本店勤務になり、再生可能エネルギー拡大のためのプロジェクト業務に携わっていましたが、現場の実情をしっかり反映できなかった件があり、先輩から「おまえは全然現場が見えてない!」と指摘されたことが強く心に残っています。その後、入社11年目に基幹系工事センターに異動し、運よくもう一度現場業務を経験させてもらいました。私たちの仕事は「現場に立脚している」ことを再認識するきっかけとなり、以降の心構えとして活きています。

鈴木:現場の視点も大局的な視点もどちらも重要ということですね。私も今振り返ってみると、支店や営業所などの経験が現在の業務にすごく活きていると感じます。

新納:私も最初は人事労務部への異動には驚きましたが、振り返るととても貴重なキャリアになりました。うちの会社はすごく人のことを見ていて、異動には必ず意味があるように思います。

鈴木:プライベートでのターニングポイントもありました。出産後、育児と仕事を両立する生活を送るようになってから、仕事に対する関わり方や考え方が変わってきたのかなと思っています。とにかく時間に追われる日々なので、仕事においても、プライベートにおいても、質と効率をいかに上げるか。単に時短を目指すのではなく、常に「質の向上」を意識しながら取り組んでいます。

南波:私のターニングポイントは、グループ会社の経営管理の一環で、ある会社の主力事業の方針転換を支援したことです。ヒト・モノ・カネといった経営資源配分の在り方を考えに考え抜いて取り組んだ仕事で、非常に大きな経験になりました。また、「ほくでん」と「ほくでんネットワーク」の分社化を検討しているときに、社内外のほんとうに多くの方々と対話させていただき、多様性や視野の広さを身につけることができたと思います。直近では、「ほくでんコクリエ」というグループ会社の立ち上げに携わったことも、仕事の幅を広げる機会になりました。

質疑応答写真2

現在の若手社員や将来の新入社員に対して、
感じていることや期待していることは?

北:私と同期の年代は社員数が非常に少なく、そのため、上の年齢層が少ないことから、今の若い社員は早くから重要な仕事を任せられています。私が若い頃は直接自分で手を動かす作業が多かったのですが、今の若手社員はそういった作業よりもさまざまな工事会社との対応や調整を担うなど、非常に大変だなと思う反面、羨ましくも感じますね。そういった仕事の中で、社内のさまざまな部署や社外の方々との関わりが多くなっていきますが、そこで生まれる「つながり」を大事にしてほしいと思います。

新納:「カイゼン」なんかは良い例ですね。当社では、仕事の無駄を排除して業務効率化を実現するため、全社的に「カイゼン」という取り組みを推進していますが、今の若手社員は「なぜその仕事をやるのか?」「なぜその手順でやるのか?」と、なぜなぜを繰り返し、自分の仕事に対して深く深く考える機会が多く与えられます。仕事の本質を考え、新しい仕事のやり方に作り替えていく。若い社員を見ていると、そのような思考が早くから鍛えられていると感じますし、そこから新しい何かが創造されることを期待しています。

鈴木:私が入社したのは2002年で、お客さまに「ほくでんの電気」を買っていただくのが当たり前の時代でしたが、今はいかに選んでいただくかという時代です。お客さまが当社に何を期待しているのか、そういったニーズを捉えることが非常に大事になってきていますので、新鮮な企画力や発想力を活かして、先輩たちの前でも臆せずに提言してほしいと思います。

南波:残念ながら、今の若手社員、新入社員に接する機会がほとんどありませんので、自身の若い頃の話になりますが、入社後最初の現場に配属された初日の歓迎会で、そのときの課長に「逃げるな、隠すな、ごまかすな」との助言をいただき、その言葉が自分の中でずっと初心として残っているんです。若い方にもそういう気持ちを持って、自分は何を誇りに仕事をするのか、熱量を持っていただけたら嬉しいです。

質疑応答写真3

会社の将来像をどのように考えていますか?
また、それに向けて職場で取り組んでいることや
チャレンジしていくべきことは?

北:カーボンニュートラルという地球規模の課題に対して、当社としては再生可能エネルギーの導入拡大は当然図っていかなければいけないことですが、同時に「収益向上」と「電力ネットワークの安定化」に取り組んでいくことが必要です。私が携わっている水力発電は、系統周波数の調整等で再生可能エネルギーの中では「電力系統の安定」に寄与する側面が非常に大きい電源であり、古くなった水力発電所の再開発を踏まえ、貴重な水資源の有効活用に取り組んでいます。さらに、今後は自社のみならず他社と協働するようなアプローチも検討していく必要があると考えています。

新納:「電力系統の安定」という話で補足させていただくと、北海道は再生可能エネルギーのポテンシャルが非常に高い地域で、2050年に向けて、道内の電力需要の2〜3倍もの規模の洋上風力発電を北海道に導入するための系統整備が国の政策として議論されています。一方で、直近でも再生可能エネルギーの接続を希望される事業者さまが多くいらっしゃる中、送電線の設備容量の制約や、発電しても使い切れない場合は出力制御するなど、さまざまな課題に直面しているのが実情です。当社としては、新技術の導入による運用高度化を進めている他、今後の系統利用ルールについて国とも協議しているなど、将来に向けて今できることに取り組んでいます。

鈴木:「カーボンニュートラル」や「収益向上」などは事務系部門でも外せないキーワードですね。当社は「総合エネルギー企業」を掲げており、収益拡大を目指した販売活動はもとより、カーボンニュートラル実現に向けてのチャレンジをしていかなければなりません。販売推進部としては、ヒートポンプを活用したスマート電化を推進し、省エネで快適な生活の提案を強化していきます。電力自由化以降、競争は激化し、良くも悪くも注目される機会が多々ありますが、そのような中でほくでんを再認識いただけるよう取り組んでいきたいと思っています。

新納:学生さんにとっては、事務系でも「カーボンニュートラル」に関わる仕事がある、というのは少し意外に思われるかもしれませんね。

鈴木:確かにそうかもしれませんね。最近では戸建住宅を新築されるお客さま向けの太陽光発電設備のリースサービス「ふらっとソーラー」への申込みや問合せも増えており、お客さまからのニーズも高まっているように感じます。しっかり時代の流れを読み、お客さまのニーズを汲み取っていくというのは今後も変わらず必要なことだと思います。

南波:どのように時代が変わっても、電気という社会インフラは必要不可欠なものです。当社のコーポレートスローガンである「ともに輝く明日のために。」の通り、道民の皆さまに「やっぱりほくでんさんが必要だよね」と思っていただけることが重要だと考えています。そのためにもさまざまな意見に耳を傾け、再生可能エネルギーや原子力発電も含めて、しっかりと議論を重ねながら当社の取り組みについてご説明させていただき、ご理解いだけるように努めていく必要があると思います。

自身が描く将来像は?
それに向けて意識していることや、
チャレンジしたいと思うことは?

新納:近い将来、洋上風力発電や太陽光発電、バイオマス発電など、さまざまな再生可能エネルギーが北海道の中に増え、北海道と本州をつなぐ新たな海底ケーブルの敷設、デジタル技術活用による送配電設備の運用高度化など、新たな次世代型電力ネットワークが作られていくと思います。個人的には、そのような計画段階からの上流工程を知っている人間として、現場において実際の設備構築に携わりたいですね。やはり技術系職として入社したからには、重要なプロジェクトの中心になって活躍できる人材として会社に貢献していきたいと思います。

鈴木:私はずっと販売部門の仕事に携わり、今は都市ガスなど扱う商材も増え、事業領域も拡大しています。今後は現状の職場に限定することなく、新たな部門でさまざまな業務に携わり、チャレンジしてみたいと考えています。社内外の方々と積極的に意見を交わしながら、広い視野で取り組み、自身も成長していきたいと思います。

南波:同じ組織に長くいると、考えが凝り固まって、視野が狭くなってしまいがちですよね。やはり多くの人から必要だと認めてもらうためには、自分たちの主義・主張・信条ではなくて、先入観を持たずに色々な人の話を聞き、その上で自分たちの価値観を共有していくことが必要で、自分もそういう形で仕事を進めたいと思っています。それは、お客さまに対してだけではなく、社内のつながりや社外とのつながり、あるいは経営層と社員という位置づけも含めて、お互いに心を許し合えるよう、オープンでフラットであるように努めています。

北:「つながり」を大切にし、視野を広げていくということは大事ですよね。これまでは、『発電部門が作った電気を送配電部門が送り、販売部門がお客さまに販売する』といった流れで、それぞれの役割を担ってきましたが、今後は私たち発電部門も販売までに至る過程や収益までをしっかりと考えて取り組んでいくことが必要です。そのためには、企業として横のつながりをしっかり保ち、一つになって進めていくことが重要であると考えています。私自身これからもコミュニケーションを大切にし、新しい仕事にも前向きにチャレンジしていきたいと思いますし、若い社員にもそのような意識を大切にしてほしいと思います。

新納:このページを見ている学生の皆さんにも、周囲とのつながりを大切にして、ぜひ将来は当社の仲間と一緒にいろんな仕事にチャレンジして欲しいですね!

一同:さすが元採用担当!

※掲載している内容は取材時点のものであり、所属・組織名が現在の名称と異なる場合があります。